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No.38

読書メモ『雨の日の心理学:こころのケアがはじまったら』

東畑開人 著、『雨の日の心理学 : こころのケアがはじまったら』を読みました。以下はその感想です。

(本のまえがき部分が、noteで公開されています→https://note.com/kadobun_note/n/nfdb92d1...
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タイトルに「雨の日の」とあるのは、元気がないときの、とか、こころの調子が悪いときの、という意味でしょうかね。

私の周りでも、この本に書かれているような、ケアが必要になった場面がありました。ある人の行動が問題になった。

私もおせっかいをしたり、その人の話をきいたりしてはいたのですが、同時に、この小さな環境だけでケアしきれることではないとも思っていました。

結果は結果としてあったのですが、良い結果なのか、悪い結果なのか、今でも分かっていません。

この本を読んで分かったのは、あのとき私は確かにケアをしようとしていたということです。

とにかく私は血の気が多く、喧嘩とあらば喜び勇んで飛び出していくタイプで、そのときも、その問題にぶつかるだけぶつかってみようという気持ちではありました。

実際には、ゆるやかに、おせっかいから始めたつもりですが、周りがどう感じたかは謎です。というのも、周りは既に、その問題については諦観していたからです。(後で、ねぎらいの言葉はかけてもらえました)

こころとこころのやりとりとか、傷と傷のやりとり、というようなこと(私の意訳が入っています)がこの本に書かれていましたが、そのとき、まさにそれが起こっていました。

ケアとして、何の知識もない素人がやったことではありました。客観的に見て、大方の部分において、それが失敗であった可能性は高いでしょう。

でもまさに、私はあのとき、ケアをしようとしていた。

状況として、残された時間は短く、素人ながら、「こころの天候」が急に良くなるなんてことはないと感じていました。だけど、違う誰かがこの人にケアをしてくれるとは、到底思えなかった。

私もこの一点において、孤独ではありました。そして、渦中のその人にとってはこの一連のことは、大変な大嵐であったことでしょう。

感謝もありましたが、困惑もありました。

私はあまりに稚拙でしたし、その上、時間までありませんでした。だけど、そのときできることはここまでであったと、この本を読んで思ったのです。

次のケアがはじまったとき、私は再度、この本を開くでしょう。

また、普段交わしている会話が、もとより相互に行われるケアである、というのも、実感するところではありました。

話が雑多になりました。

とても良い本でした。子育て中の方や、家族の介護をしている方などには特に、有用な発見を与えてくれるものと思います。

また、ここに言う「ケア」に関係がない人でも、読んで癒される部分があると感じます。

離れて住む家族に、この本をプレゼントしようかな。

以上、感想でした。

ではまた。たたむ


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